総合内科医の勉強ログ

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出血性胃潰瘍における抗凝固薬の再開時期は?

消化性潰瘍診療ガイドライン2020

- ワーファリン:止血確認後に速やかに再開

- DOAC:止血確認後早期(1-2日)に再開

 

ワーファリンは、

GIBを発症したAf患者で、ワーファリン早期再開が死亡率を有意に下げたことを示した前向きコホート研究(Evid Based Med. 2016. PMID 27190077)や、

その他複数の報告が根拠となっています。

 

DOACは、

アジア太平洋ワーキンググループのガイドライン(Gut. 2018)に基づき、血栓リスクとDOACの作用時間(36-48時間)を考慮してのステートメントになっているようです。

 

Up to date [Management of anticoagulants in patients undergoing endoscopic procedures]

・再出血リスクが低い場合(血行動態安定、潰瘍底がキレイ: Forrest Ⅲ相当)

- ワーファリン:手技当日の夕方から再開

- DOAC:止血確認後 48-72時間で再開

 

【コメント】

出血性胃潰瘍内視鏡治療後にどのタイミングで抗凝固薬を再開するかは、血栓リスクや出血リスクを考慮して個別判断が必要ですね。

ガイドライン的には早期再開を推奨していますが、DOACに関する研究は少ないようです。

 

参考資料

消化性潰瘍診療ガイドライン2020

Up to date [Management of anticoagulants in patients undergoing endoscopic procedures]

Asia-Pacific working group consensus on non-variceal upper gastrointestinal bleeding: an update 2018 (Gut. 2018. PMID 29691276)